🥇 格言：「相場は腹八分目」
📜 意味と由来
この格言は、「食事を腹八分目で抑えるのが健康に良いのと同じように、相場においても欲張りすぎず、
適度なところで満足して手を引くのが賢明である」という、投資における欲のコントロールと利益確定の重要性を説いた教訓です。
• 教訓: 完璧な利益（天井）を追い求めると、たいていの場合、相場が急変して利益を逃したり、
損失を出したりします。得られた利益に感謝し、欲張りすぎないことが、長期的に資産を守り増やす秘訣です。
💹 現代の投資への応用
1. 利益確定の規律
この格言は、第8回で学んだ**「利食い千人力」**の精神を、具体的な行動規範として強化するものです。
• 天井を狙わない: 最高のタイミング（天井）で売却することは、プロの相場師でも不可能です。
欲張って天井を狙おうとする行為自体が、利益を相場に返す最大の原因となります。
• 腹八分目の設定: 投資を始める前に、「もし20%の利益が出たら、そこで半分を売却する」といったように、
事前に腹八分目の目標を決めておくことが重要です。
目標を達成したら、感情を交えず機械的に利益を確定しましょう。
2. 精神的な余裕の創出
「腹八分目」で利益を確定することは、投資家自身の精神衛生にも極めて重要です。
• 後悔の軽減: たとえ売却後に株価がさらに上昇したとしても、「腹八分目で満足できた」という事実が、
**後悔の念や「乗り遅れることへの恐怖（FOMO）」**を軽減します。
• 新たなチャンスへの準備: 確保した利益は、次の投資機会（例：市場が暴落して底値圏になったとき）のための**「タネ銭」**（第17回）となり、冷静な判断を下すための土台となります。
3. 継続的な勝利の追求
相場において最も重要なのは、**「常に勝ち続けること」ではなく、「大きな負けを避けて、
小さな勝ちを積み重ねること」**です。
• 「腹八分目」の積み重ね: 腹八分目の小さな勝利を積み重ねることで、最終的な資産は最大化されます。
逆に、満腹を目指して一度大きな負けを喫すると、そこから回復するのに多大な労力と時間を要します（第1回「損をしないこと」）。
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