要約:新NISAにおけるゴールド投資戦略とペーパーゴールドのリスク分析
本動画は、新NISAの成長投資枠を活用したゴールド(金)投資について、推奨されるETFや投資信託の銘柄を詳細に比較しつつ、特に「裏付け」と「現物保管」に関する専門的な分析を提供しています。また、ゴールドETFや投資信託が持つ固有のリスクについても注意喚起を行っています。
1. 投資の現状と背景
筆者(動画制作者)は現時点で合計約1600万円をゴールドに投資しており、直近ではiDeCo内のNASD 100の利益を利確して三菱UFJ純金ファンドへスイッチングし運用を開始したり、積立金の一部を利益確定して金地金に現物化したりしています。
本動画の目的は、新NISAで投資できる投資信託やETFについて、どの国に、どの会社が、現物の金をどのような種類で保管しているのか、そして現物の金地金に交換できるのかといった切り口で情報をまとめ、ゴールドETFや投資信託ならではのリスク(ペーパーゴールドのリスク)についても注意喚起することです。
2. 海外主要ETFの裏付けと透明性
すべての海外ETFは、新NISAの成長投資枠で購入可能です。これらは数百トン規模の金地金現物を保有しており、高い透明性を有しています。
銘柄名
規模(純資産総額)
経費率
主要カストディアン
金の保管場所
裏付け情報
GLD (ステート・ストリート)
約12兆円超(834億ドル)
0.4%
HSBC、JPモルガンチェース
ロンドン、ニューヨーク、チューリッヒ
891トンの金地金を保有。延べ棒のシリアルナンバー、純度、入庫年などをほぼデイリーで公表し、カストディアンによる監査書も提出されている。
IAU (ブラックロック iシェアーズ)
約5.9兆円(392億ドル)
非記載
JPモルガンチェース(ロンドン支店)
ロンドン、ニューヨーク
419トンの金地金を保有。延べ棒のシリアル、純度、金庫の所在地がリアルタイムに公表されている。
GLDM (ステート・ストリート)
約1.7兆円(112億ドル)
0.1%
ICBCスタンダードバンク(ロンドン)、JPモルガンチェース
JPモルガン(ロンドン)など
GLDのミニ版。低コストが特徴。120トンの金地金を保有。
3. 国内ETFと投資信託の特長
国内の商品には、現物転換の可否や国内保管という強みがあります。
1. 1540 金の果実(純金上場信託)
• 裏付けと保管: 純資産約5800億円で、全額(99.99%)を純金で裏付けし、現物全量を日本国内に保管していると公言しています。保管は三菱UFJ信託から委託された三菱RTM JAPANとそのサブカストディアン(国内の倉庫会社と推測される)が行っています。
• 現物転換: 最大の特徴は、ETFを現物(金地金)に交換できる**「小口転換」**が可能な点です。ただし、1kg単位(現時点の金価格で約1500万円超)での交換が必要であり、新NISAの成長投資枠(1200万円)だけでは金価格が大幅に下落しない限り、転換は難しいとされています。また、現物転換が可能な証券会社は、三菱UFJスマート証券、モルガンスタンレー証券、SBI証券に限定されています。
2. 投資信託7銘柄の比較
投資信託は主に海外ETFやETCを組み込んでおり、最終的な金の保管場所は海外(JPモルガンチェースのロンドンなど)が多いです。
• 三菱UFJ 純金ファンド: 中身は国内保管の1540 金の果実であり、国内保管を重視する投資家におすすめです。ただし、信託報酬は他と比較して高め(0.99%)であり、投資信託というパッケージのため金地金の受け取り権利(現物転換)はありません。
• SBI iシェアーズ・ゴールドファンド: 信託報酬を抑えたい方に推奨されており、中身はiShares Physical Gold ETC(SGN/IGLN、JPモルガン ロンドン保管)です。
3. 為替ヘッジの有無
2022年以降は為替が円安方向に大きく動いたため、為替ヘッジなしの国内ETF(1540など)は、円の価値の落ち込みがひどかった影響で、ドル建ての金価格が相対的に高くなり、パフォーマンスが向上しました。為替ヘッジにはコストがかかるため、筆者は個人としてヘッジなしを好んで選択しています。
4. ペーパーゴールドの3大リスクと防御戦略
ETFや投資信託といった「ペーパーゴールド」で金を持つ場合、以下の3つの固有のリスクを認識しておく必要があります。
1. 現物裏付けの薄さ: 金庫やカストディアンが公表されていても、あくまで目論見書やWebでの文字の裏付けのみを信用するしかないという薄い状態であることは認めざるを得ません。
2. 価格乖離の問題: 市場は生き物であり、投資家心理や需給のバランスが崩れると、本来の価格(NAV)と大きくずれた位置で取引される価格乖離が生じる可能性があり、簡単に暴落につながることも理解が必要です。
3. 第三者管理のリスク: スマホやコンピューター上に表示されているゴールドの量は、JPモルガンなどの有名金融機関によって管理されている状態です。世界大戦レベルや経済の根幹を揺るがすショックがあった際には、100%絶対大丈夫とは言い切れない状態です。
究極の防御戦略として、筆者はこのリスクを認識し、現在、ETF名義としてのロンドン保管、三菱経由での日本国内の倉庫保管、そして現物での自宅保管を組み合わせることで、ある程度の分散保管を行っていることが明かされています。
5. 結論:銘柄選択と非課税メリットの活用
新NISAでゴールドETFを選択する最終目的は、今後の金価格の値上がりを見て、大きなキャピタルゲインを非課税で狙いに行くことです。
• 透明性重視: GLD(海外、ロンドン保管、詳細なバーリスト公開)
• 国内保管重視: 1540 金の果実(国内保管、現物転換可能)または三菱UFJ 純金ファンド(国内保管、ただし転換不可)
• コスト重視: SBI iシェアーズ・ゴールドファンド(投資信託の中で信託報酬を抑えたい方向け)
現物転換の権利(1540)は魅力的ですが、新NISA枠だけでは金価格を考慮すると1kgの転換は難しいため、非課税で手に入れた利益(日本円)を、その後に現物の金地金購入や他の投資に振り向けるのが賢明な方法だと結論づけられています。
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