🥇 格言:「買い値に聞くな」
📜 意味と由来
この格言は、「株式を売却するかどうかを判断する際、その株をいくらで買ったか(買い値)を基準にしてはならない」という、投資における最も困難な心理的罠への戒めを説いた教訓です。
• 教訓: 投資家が陥りやすいのは、「買い値」を下回っているから売りたくない(損失を確定したくない)、あるいは**「買い値」を上回っているからまだ持ち続けたい**(もっと利益を伸ばしたい)という、自己中心的な感情による判断です。しかし、現在の株価の妥当性や将来の見通しは、「自分がいくらで買ったか」という過去の事実とは無関係であり、客観的な市場の状況に基づいて判断すべきだと教えています。
💹 現代の投資への応用
1. 損切りの妨げとなる心理的な壁
「買い値に聞くな」は、特に損切りの場面で重要になります。
• サンクコストの錯誤: 投資家は、買い値を下回っていると「損失を確定したくない」という心理(プロスペクト理論)が働き、塩漬けにしてしまいがちです。これは、すでに投じたお金(サンクコスト=埋没費用)を惜しむあまり、非合理的な決断をする**「サンクコストの錯誤」**という心理的な罠です。
• 行動: 買い値を完全に忘れ、「今、この株を買うとしたら、この価格で買うか?」という視点で、現在の株価の妥当性を冷静に判断し、「損したら待つな」(第30回)の規律に従って行動すべきです。
2. 利益確定の機会損失
利益が出ている場面でも、「買い値に聞くな」は重要です。
• 欲の暴走: 買い値を大幅に上回っていても、「まだ〇〇円まで上がるはずだ」と欲張りすぎると、急落に巻き込まれて利益を相場に返してしまうことになります(第23回「相場は腹八分目」の戒め)。
• 客観的な判断: 利益が出ているかに関わらず、「企業のファンダメンタルズが変わったか」、または**「市場が過熱しすぎているか」**といった客観的な基準で売却タイミングを判断すべきです。
3. **「相場は相場に聞け」**の再確認
結局のところ、株価は**「自分がいくらで買ったか」ではなく、「市場の需給と将来の期待」**によってのみ決定されます。
• 教訓: 投資家として成長するためには、自分の過去の行動(買い値)に囚われることなく、現在の市場の「相場の声」に謙虚に耳を傾け、未来志向で判断を下すという精神的な自立が不可欠です。
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